映画鑑賞記 「ナイトクローラー」

公開日 2015年08月24日

ナイトクローラー
原題:Nightcrawler
製作年:2014年
製作国:アメリカ
監督:ダン・ギルロイ 
日本公開:2015年8月22日(土)

仕事も見つからず、つまらない盗品を売りさばいて生活しているルイス(ジェイク・ギレンホール)は、ある晩、車の事故直後の現場に通りかかる。
被害者はまだ車の下、今にも車が爆発するかもしれないという状況でそれを撮影するカメラマンの姿を目にし、ルイスは、刺激的な映像を売るという仕事があることを知る。
見よう見まねで始めた最初の映像が売れ、ルイスはこの仕事にのめりこみ、やがては一線を越えて行く。


オープニングの夜のロスアンゼルスの風景の禍々しさが緊張感を誘う。
程度の差こそあれ、こんな風に映像や情報を提供しているのは普通にあることなのだと思わされ、そのリアルさに背筋が寒くなる作品だ。

テレビとネットの中が世界の全てだったようなルイス。
金と、何より人に認められ称賛されたいという欲望が彼を暴走させていく。
落ち窪んだ目を見開き、口元に笑みを湛えながら、彼はどこまで行くのか・・・最後まで続く緊張感をこの作品はどう収めたのかはもちろん観てのお楽しみだけれど、リアルなこの終わり方はとてもいいと思う。

ルイスが自分のルールしか持っていないことは冒頭の場面からも明らかで、異常だというのはわかる。
けれど、彼は自分自身の狂気を満たすために映像を作っているのではない。
それを求めている人が、テレビというごく普通の媒体の前にいるからに過ぎないのだ。
もっとリアルに、もっと刺激があるものを・・・・モラルというのはどこに線があるのか?テレビの向こうという責任も関係もないところで目にするそういうものに私たちは惹かれないと言えるのか?


ルイスの狂気は、私たちの中にある。

(by K.T)

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