映画鑑賞記「シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢」

公開日 2019年07月31日

シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢

監督:ジル・ルルーシュ
原題:Le grand bain
製作年:2018年
製作国:フランス
上映時間:122分

 

うつ病で仕事もままならないベルトランは、ある日公共プールで「シンクロナイズドスイミング部部員募集」という張り紙を見る。経験があるわけでもないのに、なぜかその張り紙に惹かれ、彼はそのチームに入ることに。部員はそれぞれに重荷を抱えた中年男性(+女性コーチ)。シンクロナイズドスイミングのイメージからどう見ても外れている彼らだが、世界大会を目指すことに・・・。

予告編を見たときから、というか、チラシを見たときから、だいたいこんなカンジでこんな結末になるであろうと予想がつく。
きっと、全員が家庭や仕事場での人間関係などにトラブルがあって、負け犬感や孤独感でいっぱいで、でも、シンクロを通じて自分の居場所を見つけて、最後にはうまくいくというものなんだろうなぁ~と。
と、わかっていながらも、そして、結局そうなのだけれど、それでもこんなに感動するとは!
メインのシンクロの場面が終わったときには心の中で拍手喝采してしまった。劇場で手をたたきそうなのをガマンしたぐらいだ。

それは、これでもか、というようなマイナスの場面を経たことでもたらされる最後のカタルシス(よくある)というより、彼らが抱える問題が、私たちにとっても身近であることと、それに対する彼らの姿勢がユーモアを交えて細やかに表現されていることで、自然と作品の中に引き込まれてしまったからだ。一人ひとりのエピソードと、それに対する感情が、 同じ境遇にいるわけではないのにひとごととは感じられなかった。そして、シンクロメンバーだけでなく、コーチのエピソードも素晴らしい。

今年も猛暑になりそうだ。涼感たっぷりのプールの映像と、そして、王道のストーリーで、暑い日をスッキリ過ごしてみてはどうだろう。

2019年7月13日鑑賞 by K.T