映画鑑賞記「パーム・スプリングス」

公開日 2021年05月01日

パーム・スプリングス

原題:Palm Springs
製作国:2020年 アメリカ
上映時間:90分
監督:マックス・バーバコウ


目が覚めるとある日の同じ時点に戻る、というタイムループものと言われるジャンルの作品だ。

主人公ナイルズは、ガールフレンドがブライズメイドを務める結婚式の朝に戻る、というタイムループをずっと繰り返しているのだが、ある時、花嫁の姉サラをひょんなことからそのタイムループに引き込んでしまう。1人では退屈な時間も2人なら違う。でも・・・


タイムループという設定は珍しくないのだけれど、主人公がうんざりするほどの「繰り返し」をしていて、最早そこから抜け出そうとか、なんとかしようといった努力(もちろん積極的に楽しむことも)を放棄している、というシチュエーションから始まるというのはなかなか珍しい。

ナイルズが図らずもタイムループにサラを引き込み、2人になってからは、タイムループを楽しむ流れになる。この部分は、ありがちだけど、ハメの外し方が、とてもキュートで楽しい!

大笑いしながらそんなシーンを楽しみつつ、さてこうなると当然どう終結させていくのかが問われるのだが、結末は程よくバカバカしく、様々な伏線も生きていて、よくできている。そしてさらに、これがタイムループものお決まりの一つの「新しい自分への生まれ変わり」の形を取りながらも、実はこの広大な世界の中で愛する人と出会うというシンプルなラブストーリーだったことにも気がつくのだ。

思うように外出が出来ずに家にいざるをえない毎日は、まるでタイムループしているようですが、そんな中で、見つけられる新しい自分や新しい関係があるかもしれませんね!