公開日 2015年08月27日
三鷹の卓球場が国際スパイの舞台になっていたかも
イギリス貴族で、社会主義者、国際卓球連盟の創始者、映画プロデューサーと、いくつもの顔をもつアイヴァー・モンタギュー。 映画プロデューサーとしては、かのヒッチコックと何本も映画を製作し、大ヒットをもたらした人物です。当時、イギリス映画界を牽引していた若手監督アルフレッド・ヒッチコックと二人三脚で作品づくりに励み、『三十九夜』、『サボタージュ』、『暗殺者の家』、『間謀最後の日』などのスパイ映画を発表しています。
国際卓球連盟会長であったモンタギューは、卓球を巧みに利用して国際社会から孤立しそうになっている中国を、孤立させてはならないと働きかけます。敗戦後間もない日本がスポーツの国際舞台で金メダルを取り、国内が盛り上がり世界に日本人の品格を示したことを、中国の周恩来に説き、国際卓球の名古屋大会への参加を促します。卓球による外交によって、国際社会からの孤立を免れた中国は今や卓球王国となっています。
このモンタギューが創設し初代会長となった国際卓球連盟の第3代会長が、三鷹が生んだ卓球世界チャンピオン、荻村伊智朗(おぎむら いちろう)です。彼は、三鷹通り沿いにある「ITS三鷹卓球クラブ」の創設者でもあります。
卓球ラケットを持った外交官モンタギューの活躍を描いた、『ピンポン外交の陰にいたスパイ』(ニコラス・グリフィン 著 五十嵐加奈子 訳、柏書房刊)が発売されました。
書籍詳細:http://www.kashiwashobo.co.jp/cgi-bin/bookisbn.cgi?isbn=978-4-7601-4620-8