映画鑑賞記「イエスタディ」

公開日 2019年10月31日

イエスタディ

監督:ダニー・ボイル
製作国:イギリス
上映時間:112分

イギリスの小さな町に住むジャックは、売れないシンガーソングライター。高校生からの友達、エリーに支えられて歌っていたが、そろそろ夢を諦めようとしていたところだ。
そんなある晩、全世界で突然の停電が起こり、そこで事故にあったジャックが目覚めると、そこは、「ビートルズ」が存在しなかったという世界だった。
ビートルズの歌を知っているのはジャックだけ・・・

ドキュメンタリーではないスタイルの映画、「ボヘミアン・ラプソディ」、「ロケットマン」などの映画が公開され、そして今度は真打登場!といったところだろうか。
本作もビートルズの有名どころの楽曲がたくさん使用されて一緒に歌いたくなるけれど、この映画の世界は、「ビートルズ」が存在しない世界。ファンタジーの世界なのだ。

ビートルズの歌を自作と偽るジャックにはちょっとイラっとするけれど、イギリス人らしい会話のやりとりや、アメリカに対するちょっとナナメな姿勢などがなんともおかしくて楽しい。
「ヘイ・ジュード」のタイトルを変えることになったり、ジャックのアルバム制作会議で、「アビーロード」や「ホワイト・アルバム」というタイトルが却下されたり・・・リチャード・カーティスによる脚本がよくできていて、終始クスクス笑い続けになる。

しかし、ビートルズを材料にしながら、実はこの映画の本質は、リチャード・カーティスらしい、ラブ・コメディなのだ。ジャックにイラっとしているビートルズファンへの罪滅ぼしのようなエピソードを入れてうるっとさせ(ここホント泣けます)、エリーとのハッピーエンドで観客を幸せにしてくれる。やっぱり、映画は楽しくて幸せになれるのが一番!

ビートルズが存在しなかったら?

作中、オアシスが生まれていないことになっているけれど、ほかのミュージシャンも、そして、文化も大きな影響を受けただろうなあ、と鑑賞後も想像が膨らむ。
また、作品の中では、存在しないものがまだいくつかある(タバコとかコカコーラとか)。インタビューによると、タバコについてはジョージ・ハリスンを念頭に置いて設定されたようだ(作中の「あの話」に関連!)。

あたりまえ、と言われそうだけれど、あらためてビートルズってやっぱり素敵だ、と思った。
それから、本人役で出てくるエド・シーランが最高!

2019.10.14鑑賞 by K.T

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