映画鑑賞記「メッセージ」

公開日 2017年05月28日

メッセージ

監督:ドゥニ・ビルヌーブ
原題:Arrival
製作年:2016年
 

あるとき突然、世界の12か所に黒い巨大な物体が現れる。一人の言語学者が彼らとコンタクトする任を任される。彼らの目的はなんなのか、彼らはだれなのか、敵なのか友だちなのか・・・

未知の異星人とのエンカウンター話といった流れで進んで行くが、この作品の語ろうとしているところは、実はそこではない。

エンカウンターモノとしては、終盤近くまで、ある程度よくあるカタチ(タコ型か〜と思ったり!)だ。
今までのパターンでいえば、話を膨らませておいてラストは「ああ、それか」というものが多いけれど、この作品もこのままだとそれらのひとつになりそうだが、どうまとめるのかな、と思いながら観ていると、メインストーリーだと思っていたことに隠されてきた仕掛けに驚かされ、シンプルなそのメッセージが心に響く。そんな作品だ。

脚本がとてもよくできていて、ある意味、どんでん返しともいえるので、ネタバレにならないように言えることはここまで。
ただ、派手なSFと思って行くと、そのシンプルさにがっかりするかもしれないけれど、派手なSFと思って避けている人には、あの緊張感のある音楽とともに、人がどう生きるのかを考える機会を逃さないでほしいと思う。

原作とはほぼ別物。冷静なタッチの原作が好きだという人には抵抗があるかもしれないけれど、私はこちらのほうが楽しめた。

(2017年5月21日鑑賞 by K.T)

 

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