映画鑑賞記「ベイビー・ドライバー」

公開日 2017年08月28日

 

ベイビー・ドライバー

監督:エドガー・ライト
原題:Baby Driver
製作年:2017年
製作国:アメリカ
上映時間:113分

本作は、カーチェイス版ラ・ラ・ランドとも称されているが、ラ・ラ・ランドが、正統派ミュージカルで、ことばや場面が歌とダンスになるのに対し、本作は、音楽と場面がシンクロして、物語と私たちの感情を引っ張る。

ベイビーは超一流の逃し屋ドライバーだ。ipodで音楽を聴くことでその才能を全開にする。しかし彼がipodを手離さないのは、過去の悲しい事故の記憶とその後遺症のためだ。ギャングのボスの車を知らずに盗んだ代償として逃し屋をしているが、それが終わればこの仕事もやめるつもり。しかしそうはうまくいかない。ある日ベイビーは運命の人ともいうべき女性に出会う。ボスから逃れられないと知った彼は彼女と二人で街を出ることを決めるが、その最後の仕事はいくつもの歯車が狂い・・・

音楽と場面がシンクロするといっても、ミュージックビデオとは一線を画する。これは映画と音楽のおしゃれなマリアージュだ。
ストーリーの進み方は、単純といえば単純。しかし予想通りではあるが期待に応えるもので、観客の気持ちの持っていきようをきちんと示すことになる脚本も見事だ。
タランティーノを思わせながら、結末も含め「トゥルー・ロマンス」でないところが良い。そこがエドガー・ライトらしいというか、それが2010年代なのかもしれない。

楽しい映画に、求められるのは何か。
よくできたプロット、愛せる主人公、素晴らしい脇役、ハラハラドキドキ、胸キュン、凄いアクション、そして音楽。

それら全てが満たされる。さらに、エドガー・ライトらしいユーモアも!
「NO MUSIC, NO LIFE」と「NO MOVIE, NO LIFE」の音楽好き・映画好きの人にとりわけオススメしたい。
映画の小ネタもいっぱい!!、ハロウィンマスクのやりとりは「あるある」で可笑しかった!

ロッテントマトで100%フレッシュを取りながら東京での公開が初日は2館どまりとは解せない。

2017年8月26日鑑賞 by K.T