【こやじぃのみたか四方山散策】 玉鹿石(ぎょっかせき)

公開日 2020年07月29日

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1948(昭和23)年6月13日の深夜、太宰治は山崎富榮(やまざき とみえとともに玉川上水へ入水(じゅすい)しました。

当時は水量が多く急流だった玉川上水。その途中、水がコンクリートの壁に当たって砕け散りながら流れる場所があり、太宰はその滝のような光景を非常に気に入っていたようです。
そこは、山崎富榮が住み、自身も仕事場として使っていた野川家から200 mと少し先にあります。風の散歩道の入口にあるジブリ美術館への案内板に書かれた数字が、その距離の参考になります。

玉鹿石(ぎょっかせき)
玉鹿石(ぎょっかせき)を紹介するこやじぃこと小谷野芳文さん

風の散歩道は、太宰が住んでいた頃、まるで土手のような道でした。
その土手に佇んでいる太宰の写真が、入水場所手前のポケットスペースに飾られています。そのレリーフには玉川上水が登場する作品『乞食学生』の一節も刻まれています。
「青葉のトンネル」だと例え、気に入っていた玉川上水の中でも、一番好きだった場所を自身の最期の場所として選んだのかもしれません。

『乞食学生』のレリーフ
『乞食学生』のレリーフなどが紹介されています



時を経た1996(平成8)年、太宰を偲んで訪れる人たちが迷わないよう、入水場所の近くに無名碑として玉鹿石(ぎょっかせき)が設置されました。玉鹿石は青森県特産の錦石の一種です。きっと太宰は故郷の石に見守られていることでしょう。
(少しずつ小さくなっているように見えるのは気のせいでしょうか…)。 

三鷹市ホームページ「太宰が生きたまち・三鷹」 https://www.city.mitaka.lg.jp/dazai/index.html

 

風の散歩道
風の散歩道は三鷹駅からジブリ美術館へと続く散歩道です

 

企画・撮影・編集:みたか都市観光協会
協力:みたか観光ガイド協会 https://mitakaguide.p-kit.com/
出演:小谷野 芳文(みたか観光ガイド協会)
楽曲:modus Kyaai