映画鑑賞記「ドント・ルック・アップ」

公開日 2021年12月19日

ドント・ルック・アップ

原題:Don't look up
監督:アダム・マッケイ
製作:2021年/アメリカ/145分

ミシガン大学の大学院生が新しい彗星を発見した。
喜びもつかの間、その巨大彗星が地球に衝突することがわかる。
衝突すれば、地球上の生命は絶滅する。そんな事態を避けるべく、教授と学生がアメリカ政府に働きかけるのだが・・・

社会派ブラックコメディ。
いかにもな事態が続発し、本作に出てくる大統領や、IT企業やらも「あの人?」「あれ?」「あのこと?」とどれもが「あるある」で、笑える。というか笑うしかない。皮肉たっぷりの145分、長さは全く感じない。本当は笑っていられないのだけれど。

きれいごとの裏でやっぱり大切なのは、支持率だったり、自分のお金だったりだけで、マスコミは正しいことより人々に受けることを大事にするし、そして人は科学や数字ではなく自分の信じたいことしか信じない。そしてそして、結局大金持ちは自分たちだけ宇宙へ行くんだよね・・・(日本のあの人もタイムリー)と、そんなことを思いながら、笑いながらも、鑑賞後はなんとも空しい気持ちにもなる。

その空しさは、批判的な目で笑っていたが、彗星ではないけれど、今現在ある地球の危機に対する自分の感覚もこんなものだと、あらためて思わされるからかもしれない。

それからまた、地球最後の日が来たら、私は一体どうするのか・・・やっぱり大切なのは家族だよね、ということも思い起こさせてくれる作品だ。

アカデミー賞受賞や候補になった俳優がてんこ盛りの豪華な配役の本作の製作はNetflix。12月24日から配信されるとのことだけれど、これはやっぱり大画面で見ないと!

2021.12.12鑑賞 by K.T