映画鑑賞記「RRR」

公開日 2022年10月28日

RRR

製作:2022年/インド/179分
監督・脚本:S.S.ラージャマウリ
原題:RRR

1920年、イギリス支配下のインド。イギリス人に強引に連れ去られた妹を助けに行くビーム、使命を持って警察官として上を目指すラーマ、1人の少年を救う場面でその2人が出会った。彼らの友情は彼らの運命をどう変えるのか・・・

なんというか、超インド映画とでもいうべき作品だ。荒唐無稽、そこに家族の愛に、恋、友情、民族の誇り、そして踊りもある!コロナ禍の中、インドでも配信で世界の(アメリカの?)映画を見る機会が増え、インド映画が下降線という話を聞いていたけれど、いやいやいやいや・・・本作はアメリカでも大ウケし、アカデミー賞の噂も出ているとか。

ストーリーは単純といえば単純だし、ベタなシーンもあるけれど、ド派手なアクションには、何度も「それはないわー!」と思いつつ、その振り切れ具合に胸が躍った。スローモーションも効果的に使い、あり得ない映像が次々に現れ、そして、それに慣れる前にさらに想像を超えるものが!でも、びっくりするような映像の派手さは本作の大きな魅力だが、それだけではない。これは1920年、イギリスの弾圧が強まり、インド独立運動の機運が高まった時代が舞台。イギリスの圧政と横暴が、これでもかというほど描かれる。それが描かれているからこそのカタルシスがあるのだ。

本作のストーリーはフィクションだが、ビームとラーマは実在した独立運動の英雄だそうだ。インドの独立の歴史などについても考える機会になるかも。折しも、先日、イギリスにインド系の首相が誕生した。イギリスの、そして世界の変遷をあらためて感じる。

とはいっても、やはりここは余計なことは考えず、この血沸き肉躍る二人の戦いをひたすら楽しむのが正解!(イギリス人の皆さんごめんなさい・・・)鑑賞後にはきっとみなさんも「ナートゥナトゥナトゥ」と歌っていることでしょう!

2022.10.22鑑賞 by K.T

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